防犯カメラ・監視カメラの耐衝撃性能について

防犯カメラ・監視カメラは様々な場所に設置されますが、簡単に手が届く位置にカメラが設置されていると、カメラの向きを変えられたり、最悪、カメラ本体を破壊されることもあります。手が届かない位置に設置することが大切ですが、設置場所によっては、どうしても手が届く高さになってしまうこともあります。その様な場所に設置するのに適しているのが、耐衝撃性能を備えた防犯カメラです。

耐衝撃性能を備えた防犯カメラは「バンダルプルーフカメラ」と呼ばれたりしますが、防塵・防水性能がIP規格で表されように、耐衝撃性能にもIK規格という規格があり、その規格に適合していることで耐衝撃性能を備えたモデルか確認ができます。IK規格はIEC(国際電気標準化会議)で規定されている電気機器の耐衝撃保護等級で、 等級はIK00からIK10まで十段階で分類されており、数字が大きいほど耐衝撃効果も高くなります。具体的には下記の通り定められています。

耐衝撃保護等級

IK等級 エネルギー(J:ジュール) 衝撃に対する保護
IK00 無保護 特に保護されていない。
IK01 0.14J 10cmの高さから落ちる200gの衝撃に耐える
IK02 0.20J 10cmの高さから落ちる200gの衝撃に耐える
IK03 0.35J 17.5cmの高さから落ちる200gの衝撃に耐える
IK04 0.50J 25cmの高さから落ちる200gの衝撃に耐える
IK05 0.70J 35cmの高さから落ちる200gの衝撃に耐える
IK06 1.00J 20cmの高さから落ちる500gの衝撃に耐える
IK07 2.00J 40cmの高さから落ちる500gの衝撃に耐える
IK08 5.00J 29.5cmの高さから落ちる1.7Kgの衝撃に耐える
IK09 10.00J 20cmの高さから落ちる5Kgの衝撃に耐える
IK10 20.00J 40cmの高さから落ちる5Kgの衝撃に耐える

防犯カメラの耐衝撃保護等級について

IK05以下は実用性が低そうに感じますが、耐衝撃性能が備わっている防犯カメラは、基本的にIK10に対応しています。また、耐衝撃性能が備わっている防犯カメラは一般的にドーム型の形状をしていることが多く、ドームカバーの材質にポリカーボネートを採用し、「バンダルプルーフドーム型カメラ」などと呼ばれています。ポリカーボネートは防弾材料にも使用されるぐらい強固なので、ハンマーで叩いても砕けにくく、カメラ本体の保護に大変有用です。

また、防犯カメラの形状で屋外防犯カメラの主流であるバレット型カメラの場合、カメラが棒などで叩かれ、カメラの向きを変えられるようなケースがあります。その点、ドーム型カメラの場合、ドームカバーでカメラ内部が保護され、カメラの角度を変えることもできないことから、破壊行為だけでなくカメラの向きを変えようとするイタズラ対策にもなります。バレット型カメラでもIK10に対応したモデルはありますが、前述の理由から、カメラの設置高さがあまり取れない環境では、バンダルプルーフドームカメラの設置がお薦めです。